Online Magazine for Organic Trade 6 jun2016の記事から
1981年以来、Rodale Institute(ロデール研究所)はアメリカの農業の現場で
オーガニック農業と慣行農業の比較研究を行ってきている。
比較の研究テーマは、GMO(遺伝子組み換え種)、収量効率(面積当たりの収穫量)、
経済性、栄養価、土壌の生産能力、エネルギー効率などである。
オーガニック農業では、有毒な化学合成の農薬を使わないというだけでなく、
土壌を良い状態に保つ力がみられる。
オーガニック農業は堆肥などの投入物が多い割に収量が少ないと思われている
が、実際は化学肥料投入の慣行農業と収量は変わらない。
ところが一旦、干ばつになった場合は、収量に大きな差が出る。
4~5年続いた干ばつの時、オーガニック農業のトウモロコシの収量は、慣行農業のトウモロコシよりも多かった。
慣行農業のトウモロコシは、干ばつに強い品種を使っていたのに、結局
オーガニック農業の方が、28.4%〜33.7%収量が多かったという結果に
なった。
「直近の研究で、殺虫剤や除草剤や化学肥料などの農薬が土壌の中の微生物に強い
ダメージを与えていること明らかにした」とロデール研究所の主任研究員の
Elaine Ingham氏は語り、続けて「40億年培われてきた干ばつに耐える仕組み
そのものも壊してしまう」と語った。
オーガニック栽培の作物は土壌の持つ干ばつへの対応力に頼っていることが
分かる。
*気候変動に対する植物の対応力は、土壌が健康な状態でいないと
発揮されないという面白い研究です。
平成28年7月1日
日本オーガニックコットン流通機構
宮嵜道男