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【TE : テキスタイル・エクスチェンジ 2013年オーガニックコットン市場レポート - 14/07/04】


昨年2013年のオーガニックコットン製品の市場レポートが発表されました。

ラ・リー・ペッパー代表のコメントより
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2013年の世界の繊維市場の概要は、全繊維市場8,540万トンで、その構成比は、
化学合成繊維・61.8%、綿・30.2%、再生繊維(人絹、レーヨン)・6.8%、
ウール・1.3% 全体の需要の伸びは、化合繊と再生繊維の増加によるものだった。
これらの合計の市場規模は2010億ドル(約20兆円)で昨年比2%の成長があった。

TEテキスタイル エクスチェンジとしては、業界にサステナブルな意識を植え付ける
努力をしてきて、役割を果たしている。
但し、我々も含めてもっと良い方向に変えて行くにはどうしたらよいかを問い続けて
ゆかなくてはならない。

TEの活動
● 継続的にサステナブルな事業を進めようとしている企業のために、情報と指導の質を
上げてきた。その為の情報センターを作り、最新情報の整備、化学薬剤のデータ整備を
進めている。
また基準などの改善も行い、次のようなガイドラインを発表してきた。
Recycled Content Standard 
Global Recycled Standard
Responsible Down Standard

● オーガニックコットンについては、ビジネスモデルの研究やオーガニック農業に使える
種(非遺伝子組み換え)の供給についての対策会議を行った。

● 2013年の市場調査を行った。
アンケート調査の回答の
72%がサステナブルな企業になることに関心があるとし、
52%が、すでにサステナブル対策を計画しているとし、
44%は環境適応型の繊維を取り込む目標だという回答をした。
目標とする時期は2016年から2020年とした。
33%の回答者は環境適応型の素材の選定の基準を活用していて、
29%の回答者は、この選定基準は大いに参考になると回答した。

確かに良い方向に進展しているものの、まだまだ足らないというのが本当のところである。
各ブランドは、改善に導くためのコットン戦略を持たなくてはならない。

良いニュースとしては、各地域の実情に合った施策が着々と行われているということで、
例えばCotton Made in Africa,  BCI,  Fair Trade,  バイエルe³,などがある。
そして黄金律としてのOrganic基準がある。
近々、年刊のオーガニックコットンレポートで報告されるが、オーガニックコットンの需要は
相変わらず伸びてきている。
善良なビジネスモデルを進めるブランドが着実に消費者の支持を得ているのである。
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市場レポートの概要
この市場レポートに於ける環境適応型繊維は、すでに世界市場の規模にまで成長している。
TEの素材のデータやSAC(Sustainable Apparel Coalition、環境適応アパレル連合)、Higg index、MSI 、Made by Environmental Benchmark for Fiber. などの情報を背景として整っている。
各企業は、事業のポイントをどこに置くかで、多方面からの選択ができるようになっている。

リサイクル再生ポリエステル繊維や天然材の合成繊維なども繊維市場に占める割合が大きくなってきている。

現在、世界には環境適応繊維やCSR(社会的責任)の関連の認定や認証を行う機関が沢山ある。
根本的な改善への概念は同じだが、それぞれ市場の要求に応じる形で活動している。

<以下の表中の名称の説明>
Bayer e³   :バイエル社の環境対応基準 
Bayer Crop Scienceはアメリカ産でFiber Maxとauthentic Stoneville cotton の認証があるコットンを示す。 
BCI     :ベター・コットン・イニシアティブ
CmiA    :Cotton Made in Africa アフリカ産コットン
Cleaner Cotton:Sustainable Cotton Project、カリフォルニア・コットンプロジェクトで毒性のある13種類農薬を使わない決まりを設けている。
 *参考 MSI : Nikeが設定したサステナブル基準。Materials Sustainability Index

各認証認定機関の比較
Bayer e³ BCI Cleaner
Cotton
CmiA FairTrade Organic
Cotton

運営   契約制 会費制 生産者への割り増し 認定料 生産者への割り増し 生産者への割り増し
認定・認証 認証 認証 認定 認証 認証 認証
管理範囲 畑から製品 畑、綿繰り 畑、綿繰り 畑、綿繰り 全体 全体
ラベル あり なし 随意 あり あり あり
GMO 容認 容認 否認 否認 否認 否認
生産国   USA ブラジル、
インド、マリ
パキスタン
中国、トルコ
モザンビーク、トルキスタン、 USA ザンビア、
モザンビーク、
マラウィ、
ジンバブエ、
ギニア
コートダジュール インド、
カメロン、
マリ、
セネガル、
キルギスタン、 インド、中国、ザンビア、
アメリカ
マリ、ペルー、ウガンダ
エジプト、
ブルキナファッソ、
ベニン、
キルギスタン、
ニカラグア、パラグアイ、
イスラエル、ブラジル、
セネガル
タジキスタン
ウェブサイト Certified
FiberMAX Better Cotton
Initiative Sustainable Cotton Cotton made in
Africa Fair Trade 各認証機関

平成26年6月18日


日本オ−ガニックコットン流通機構
宮嵜道男 抄訳

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