美味しい日本料理の要素で、お米が占める割合はどのくらいですか?
「どんなにおかずが良くても、ご飯がまずいと台無しだ」とか「ご飯が美味しいとお新香とみそ汁だけで満足だ」などと、お米の質が料理の質を決めている面があります。
米の三大銘柄といえば「コシヒカリ」や「あきたこまち」、「ひとめぼれ」ですが、
美味しい料理に使われる米の質が50%位、占めていると思われます。
さて、コットン製品の品質として、綿糸の質の善し悪しがどれくらいを占めているか、
普段から綿糸を扱っているメンバーさんに聞いてみました。
● 布地の品質で、糸の質が占める割合は何パーセントですか?
壺内タオル、壺内さん : 糸質 50% 、仕上げ加工50%
日の出毛織、藤原さん : ガーゼ類は 糸質 60%、加工 30%、設計10%
起毛品は 糸質 50%、加工30%、設計20%
青野パイル 青野さん : 糸質 70%
皆さんの回答では、綿糸の質が、製品全体の50%以上を占めているという
結果でした。 意外と大きい比率だと感じました。
NOCグループのオーガニックコットン製品は、「できるだけ自然のままに仕上げる」よう工夫されていますから、綿質・糸質が製品そのものの質や価値に影響してくる訳です。
大自然の営みがそのまま品質に影響するということは、大自然の環境を如何によくするかという事にすべてが掛かっているということで、「有機栽培の意義」に繋がります。
生地を織ったり、編み立てたりする時の効率性はそのままコストに響き、大変重要です。
ところが、壺内さんは、「作りやすい(製織性が良い)ということと、風合いは一般的に
反比例する」というコメントを頂きました。これは大変重要で、製品を作るうえで最も
苦心するところなのです。
柔らかく優しい肌触りを追求すると、細くて撚りの少ない弱々しい糸をなんとか熟練の技で仕上げてゆくという訳です。
加工していて、すぐに糸が切れてしまうので、機械から離れられないということもあるでしょう。
高速で織ることが出来ず、最低速でじっくり織るとなると時間が掛かり、生産効率が落ちる、ということにもなるでしょう。
コストを抑えられ、納期に追われて、生産効率を上げるため、綿糸に化学処理をして
質を変えて製品化したものが一般の多くの製品です。これに対して、自然の味わいを如何に落とさず製品に仕上げることが出来るか、これがNOCのオーガニックコットン製品の最大の特長です。
並べてみて同じように見える綿製品ですが、NOCのオーガニックコットンの製品は、使ってみて、繰り返し洗ってみて、しばらくすると全く別物であることが判ります。
NOCの皆さんのモノづくりに掛ける意識が一般とは全く異なるからです。
以下は、各社さんの糸の見方についての回答です。
● 糸を選ぶ場合の注目点について
・編み立て性がいいかどうか。
・価格はどうか。
・強力、糸むら、抱合力
・繊維長・産地
● 糸の優秀性とは何か
・均斉度
・艶
・繊度
・繊維長
オーガニックコットンの製品の、安心で心地よいという特長は、
やはり原料の質に掛かっているということが再認識できました。
平成25年5月9日
日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮嵜 道男