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【西麻布のレストラン・ヴェランダでエシカル - 13/04/05】

桜満開の春の宵、24日の日曜日、西麻布の洗練されたレストランVERANDAで「第1回エシカル・ショッピング・ナイト」が開催されました。
この企画を運営されているのは、竹村伊央さんで、2年前頃にファッション関係のパーティーでお会いしました。
ロンドンから帰国して、ファッションスタイリストをしながら、夢は「エシカル・ファッション」を日本に根付かせること、とにこやかに話されていました。
そしてエシカルファッションジャパンを立ち上げ、この程、西麻布交差点角の洗練された大型レストランを使って、イベントを開催できるようになりました。

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イベントは、エシカル商品を扱う各社の展示コーナーが並び、来場者で会場が埋まった頃からショーが始まりました。竹村さんが、デザインしたコスチュームを身に付けた「エコガールズ」による歌の披露がありました。アップテンポなリズムに乗って二人のカワイイ系の女性がヒラヒラと踊りながら3曲、歌いました。
どれもエコロジーをテーマにした歌で「地球大好き」、「エシカル大好き」の歌詞が頭に残りました。

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その後、出展各社の商品を着たプロのファッションモデルたちによるファッションショーが行われ、イギリス出身のファッションモデルのディーン・ニューカム氏と元2010年のミスユニバース代表の板井麻衣子さんのエシカル・トークショーがありました。板井麻衣子さんは、何気なく買う洋服が、どんな人によって、どのように作られたのかにまで思いを馳せることが大事と云い、不幸な環境で作られた服じゃファッションは楽しめないと語りました。また、ディーン氏は、エシカルな買い物に変えてゆくには、あまりストイックにならず、小さい買い物から少しずつ始めて、段々に深まればよいと来場者にアドバイスしていました。

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エシカルは、 
1 フェアトレード、
2 オーガニック、
3 アップサイクル(再生利用)、
4 天然素材の活用、
5 古来の伝統工芸の維持、
6 古くなって見栄えを上げる逸品の見直し、
7 環境汚染しないように配慮した素材や製品、
8 顔の見えない大量生産品ではなく、
生産者と消費者の距離が近い顔の見える関係の生産方式

など高度経済成長時代に脇に追いやられてきた八つのテーマに光を当てようというものです。
エシカルは社会倫理的な取り組みということで、ややもすると、難しいし、面倒だと離れる人もいます。
悲惨で不条理に満ちた貧困国の厳しい現実は、あまりストレートに表現すると日本の消費者の生活感覚とはかけ離れているので、興味を逸らせてしまいます。

あまり真面目にストレートに問題を訴えるというやり方では、どうも一般の人々の共感を得られにくいということは、オーガニックコットン普及活動20年の中で今一つ本格的な需要を起こせないでいるという事実として重く受け止める必要があるようです。
難しくて、悲惨であればあるほど、エンターテイメント的な手法で伝える方が早いと感じました。
歌あり、ファッションショーあり、タレントさんによる気楽なエシカル・トークショーなど、竹村さんの、軽やかでしなやかな戦略は当たりでした。

ショーの運びの巧みさに、若い女性たちが、このエシカルというテーマを本当に面白がっているように見えました。
そして新しい時代のトレンドと捉えて、本気で、それぞれの自分の分野に活かしてゆきたいという意気込みを感じました。ファッション関係者やファッションメディアの方々ばかりでなく一般のOLの方々も参加されていて定員200人の会場は満員でした。

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帰り道、「楽しく伝える」というテーマを真剣に、眉をひそめて考え込んでしまって、はっとしました。
これがいけないんだと・・・。
                                                 


宮嵜道男
日本オーガニックコットン流通機構
平成25年3月25日

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